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Suurkontio Tahmapää rakentaa    原書名:  Suurkontio Tahmapää rakentaa
 (おおきいくまのタハマパー いえをたてる)
 作者名:  Hannele Huovi, 1949~
 ハンネレ・フオヴィ
 出版社 / 年:  TAMMI / 2008
 ページ数:  91
 ISBN:  9789513141127
 分類:  児童書
 備考:  Ihme juttu!
 Jättityttö ja Pirhonen
 Urpo ja Turpo Villissä lännessä
 Vladimirin kirja
 Ahaa! sanoi Pikkuruu
 Karvakorvan runopurkki
 Taivaanpojan verkko
 Miinalan Veikon nyrkkeilykoulu
 Suurkontio Tahmapää
 Gepardi katsoo peiliin
 Vauvan vaaka
 Maailman paras napa
 Matka joulun taloon
 Höyhenketju
 『羽根の鎖』

【要約】

大きいくまのタハマパーには、頼もしい友だちがいます。りすのタンッピ、はりねずみのヴェイッコ、へらじかのイーロです。大きいくまのタハマパーは、古くなってしまった家を建て直そうと考えます。そこで、みんなは、それぞれの理想の家について意見を出しあいました。りすのタンッピは下り苔の家、はりねずみのヴェイッコは葉っぱの家、へらじかのイーロはレンガの家、大きいくまのタハマパーは丸太の家と、みんなは自分の意見を譲りません。しかし、家に住むのはタハマパーだということに気がつくと、みんなは仲直りして、タハマパーのために知恵を出しあいます。

森にかけられた巣箱をヒントに家を建てることになり、大切な寝床は廃品置き場のベッドになりました。これは、人家にちょくちょく顔をだす、へらじかのイーロのアイデアです。「タハマパーはご満悦です。だって、タハマパーが必要としているものを、友だちは知っていたからです」。

友だちだったら、意見が違っていてもいいのです。いろいろな考えをもった仲間がいるからこそ、難しいことも解決できるのです。意見を聞いてあげることは、思いやることですから。

同書は、やさしい文庫シリーズ「黄色いくちばし文庫」の一冊で、小学校に上がる前の子どもたちが対象です。

【抜粋訳:pp.65-67】

「ヴェイッコはおこってるよ」りすのタンッピが、おおきなこえでいいました。
「なんで?」おおきいくまのタハマパーは、びっくりしてききました。
「しらない。きっと、いっぱいかまってあげてなかったからだよ」
「そんなことないのに。ヴェイッコはいいやつだよ!」
 はりねずみのヴェイッコは、ときどき、つんつんします。たくさんかまってあげないと、ごきげんななめになるのです。きもちもきいてあげないと、はりでつんつんしてきます。そうすると、みんなも、ごきげんななめになります・・・。
「ヴェイッコは、じぶんのからにとじこもっちゃった。はなしかけても、へんじをしないんだ」タンッピがいいました。
「そう。でも、きにすることないよ」
「きにするよ。だって、こわいもん」
「なにが?」
「へんじがないと、しんでるのか、おこっているだけなのか、わからないもん。それって、こわいよ」
 タハマパーは、あたらしいはちのすをみつけて、はちみつをとりにでかけるところでした。
「さて、どうしよう。はちみつをとりにいくか、ヴェイッコをはげましにいくか。こまったな」タハマパーは、なやみました。
「はやく、どっちかにきめてよ」タンッピがいいました。
「なんで、タンッピじゃダメなの?」タハマパーがききました。
「ぼくはちいさすぎるもん」
 タハマパーは、はちみついれをもったまま、じっくりかんがえました。あたらしいはちのすから、はちみつのにおいがしてきます。
「やっぱり、ともだちは、はちみつよりもたいせつだ」
 タハマパーは、はちみついれを、じめんにおろしました。そして、タンッピといっしょに、ヴェイッコのようすをみにでかけました。

文/訳 末延弘子 ハンネレ・フオヴィ著『おおきいくまのタハマパー いえをたてる』(2008)より


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