【要約】
ヒルマは6歳の女の子です。弟のラウリと一緒の部屋で、本棚も、CDも、おもちゃも、ドアも、窓から見える景色もラウリと半分こしています。ところが、自分だけのものがほしくなって、7歳の誕生日にはペットがほしいと、お父さんとお母さんにお願いしました。
ヒルマは、みんなから羨ましがられるような、たった一つしかない自分だけのかわいいペットがほしい、と思いました。まず思いついたのはゾウでした。ゾウは大きくてすてきだけれど、よく食べるゾウの"落としもの"も大きいので、ヒルマの手に負えません。アリだと手がかかりませんが、何万匹もいて、どのアリも同じに見えてつまりません。クマは冬眠するのでいつも一緒に遊べないし、白鳥は冬に南に渡ってしまうし、クジラは浴槽に入りません。
あれこれ考えましたが、なかなか思いどおりのペットが見つからないまま、誕生日になりました。ヒルマの誕生日プレゼントは子いぬでした。子いぬはちょこちょこ動き回って言うことを聞いてくれません。呼んでも来ないし、好きなところにうんちもします。一緒に遊んで、どろんこになったらきれいに洗って、ヒルマは子いぬに振り回されます。でも、温かくてやわらかい子いぬの世話をしながら、とびきりの幸せを感じます。
「ヒルマ」シリーズ第二弾『ヒルマのしたいこと』では、小学一年生になったヒルマは、友だちがたくさんできるような、楽しい趣味を持ちたいと思います。水泳、サッカー、ピアノといろいろ考えますが、なかなかピンとくるものがありません。水泳もサッカーもピアノも練習がたいへんそうで、上手になるまで時間がかかりそうです。でも、自分のほんとうにしたいことなら辛抱強くなれるものです。ヒルマはチェロを習いはじめ、練習を重ねて、秋の発表会でステージに立ちました。
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