【要約】
学校がスキー休暇に入った2月、リストのガールフレンドのネッリは田舎に帰り、リストはひとり退屈を持てあましていました。そこで、ラウハおばさんは、リストと同い年の子どもをもつ友人を電話帳で探してみたのですが、リストは「ネッリがいい」と言って聞きません。暇つぶしにテレビをつけると、全国ちびっこのど自慢の決勝の切符を手にした天才子ども歌手カミッラが映っていました。インタビューに答えていたのはラウハおばさんの旧友、カミッラの母ビルギッタと父パシ=ペッカでした。
ラウハおばさんは有名人の友だちを持ったことに舞いあがり、さっそくファイナル出場のお祝いの電話をかけます。すると、ビルギッタから一日だけカミッラをあずかってほしいと頼まれます。どうやらカミッラは、ライバルのヴェロニカの歌の先生ロサムンダと妹で譜めくりのマチルダに狙われているというのです。カミッラが安心して歌の練習ができるように、ラウハおばさんはリストの部屋にかくまうことにしました。
髪をおだんごにきゅっと縛り、背筋をぴんと伸ばした、歌ひとすじに育てられた有名人カミッラの世話に、ラウハおばさんは奮起します。人目にさらされないように気をつけていたものの、カミッラはうっかりミスター・リンドベリに目撃され、テレビの立入検査員だと名乗る不審な髭づらの男に歌声を聞かれ、譜面まで盗まれてしまいます。ついには、カミッラは行方不明になり、リストとラウハおばさんはミスター・リンドベリとネッリに相談することになりました。
カミッラは、怪しい髭づらの二人の男にさらわれて、マンションの地下室に閉じこめられていました。必死の捜索の末、カミッラを救出したリストとネッリは、ファイナルの会場に急ぎます。髭づらの二人の男を追っていたラウハおばさんとミスター・リンドベリも、同じ会場にたどり着きました。この二人の男は扮装したロサムンダとマチルダだったのです。かつて、リコーダーコンクールのファイナルに勝ち進みつつも、あやまって食料庫に閉じこめられて出場できなかったロサムンダは、どうしても優勝を味わいたかったのでした。
このロサムンダの行き過ぎた行動や姉の言いなりになっている自分が嫌でたまらなかった妹のマチルダは、譜めくりをストライキしました。マチルダは、コンクール終了間際に滑りこんだリストとネッリとカミッラのピアノ伴奏を担当し、リストの即興ラップに合わせてネッリは踊り、カミッラは髪をふり乱して歌い、ヴェロニカも加わって、この四人組が優勝しました。
カミッラはロサムンダとマチルダのことを許し、ありのままの普通の女の子にもどりました。自分らしくあるということは、有名人になることではなく、自分の楽しいを見つけることなのです。
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