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Risto Räppääjä ja viimeinen tötterö    原書名:  Risto Räppääjä ja viimeinen tötterö
 (リスト・ラッパーヤとゆかいなラウハおばさん これが最後のクッキーアイスの巻)
 作者名:  Sinikka Nopola, 1953~ & Tiina Nopola, 1955~
 シニッカ・ノポラ&ティーナ・ノポラ
 出版社 / 年:  TAMMI / 2007
 ページ数:  96
 ISBN:  9789513138998
 分類:  児童小説
 備考:  Miksi emme totu pystyasentoon
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 TV2のアニメーション情報

【要約】

クッキーアイスはリストの大好物。それをミスター・リンドベリが食べてしまいました。そのアイスは、製造販売中止となってしまい、近所のどのお店にも置いてありません。ところが、北カレリアのホルヤッカに残っているということを聞いたミスター・リンドベリは、ラウハおばさんとリストとネッリを引き連れて、ホルヤッカ行きの始発の列車に駆けこみます。

リストとネッリは、車両内で襟を立てた怪しい革ジャン男に出会います。二人は、革ジャン男が書きつづるメモ帳が気になってしかたありません。そこには、「クッキー作戦」と書かれており、どうやら宝石が隠されたアイスを狙っていることがわかりました。

一方、ホルヤッカにはいわくつきの駅があると言って、リストとネッリを連れてきたミスター・リンドベリは、期待に応えようと、泥棒に扮してラウハおばさんのハンドバッグを盗む事件を起こしてしまいます。そのために、ホルヤッカ警察署に連行されることになり、ラウハおばさんも同行しました。尋問中に、なんとか逃げだしたミスター・リンドベリとラウハおばさんは、怪しい革ジャン男に追われて逃げこんだリストとネッリと劇場でかち合います。

ウサギの着ぐるみを着て、舞台に立つ四人。リストは得意のラップで、「うさラップ」を刻んで、喝采を浴びます。

さて、リストはクッキーアイスを手に入れることができるのでしょうか?ミスター・リンドベリにかけられた容疑は晴れるのでしょうか?そして、怪しい革ジャン男の正体とは?

「リスト・ラッパーヤとゆかいなラウハおばさん」シリーズ第9弾。1997年に第1弾『リスト・ラッパーヤとゆかいなラウハおばさん なぞのきょうはく状の巻』が刊行されて、今年で10周年を迎える同シリーズ。それを記念して、来春には実写版映画が公開されます。「リスト・ラッパーヤとゆかいなラウハおばさん」シリーズについて、また、映画の最新情報については、ウェブサイトからもご覧いただけます。

【抜粋訳: pp.17-18】

「そうなんですか?つまり、フィンランドのどこで手に入るんですか?すばらしい!お手数をおかけいたしました。失礼します」

 ミスター・リンドベリに笑顔が浮かびました。

"クッキーアイスはホルヤッカにまだ20本残っているらしい。さっそく、リストにこのことを話そう"  そう思うのと同時に、ミスター・リンドベリはクッキーアイスの味を思い出してよだれがでてきました。

"もういちどクッキーアイスを口にしたいもんだ・・・しかし、なんという地方だったかな?ホルヤッカ?いったい、それはどこだろう?"

ミスター・リンドベリはフィンランドの地図をリビングのテーブルに広げました。ホルヤッカ、ホルヤッカ、ホルヤッカ・・・。ああ、あった。北カレリアの小さな村だ"

しばらくして、ミスター・リンドベリはラッパーヤ家のドアベルを鳴らしました。

「ニュースだよ。さっき、アイス製造工場に電話をかけたら、クッキーアイスの製造はもう中止になったと言われてね」

「クッキーアイス」という言葉を耳にしたリストとネッリが、玄関にやって来ました。

「ただし、ホルヤッカの夏の出店になら、まだ20本残っているらしい。すぐにホルヤッカにでかけよう」

「やったあ!」ネッリが声を上げました。

リストはなにやら決めかねています。

「そこに着いたときには、もう一本も残ってないと思う」リストがぼそっとつぶやきました。

「だから、急がなきゃ」と、ミスター・リンドベリ。

「だいたい、ホルヤッカってどのへんなわけ?」リストは、力なく言いました。

「ホルヤッカには列車で行ける。明日の朝、出発しよう」

「わたしもホルヤッカに行くの?」ネッリが聞きました

「行ってもいいか、お家の人に聞いてきて」ラウハおばさんが言いました。

「アイスを手にいれるためには、始発の列車に乗るのが一番だね。すぐに売り切れちゃうから」ミスター・リンドベリが言いました。

文/訳 末延弘子 シニッカ・ノポラ&ティーナ・ノポラ著『リスト・ラッパーヤとゆかいなラウハおばさん 最後のクッキーアイスの巻』(2007)より


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