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Risto Räppääjä ja kauhea makkara    原書名:  Risto Räppääjä ja kauhea makkara
 (リスト・ラッパーヤとぞっとするソーセージ)
 作者名:  Sinikka Nopola, 1953~ & Tiina Nopola, 1955~
 シニッカ・ノポラ&ティーナ・ノポラ
 出版社 / 年:  TAMMI / 1998
 ページ数:  95
 ISBN:  9513111458
 分類:  児童小説
 備考:  Risto Räppääjä ja viimeinen tötterö
 Miksi emme totu pystyasentoon
 Risto Räppääjä ja villi kone
 Risto Räppääjä ja komea Kullervo
 Risto Räppääjä ja Hilpuri Tilli
 Risto Räppääjä ja sitkeä finni
 Risto Räppääjä ja Nuudelipää
 Risto Räppääjä ja pakastaja-Elvi
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【要約】

そろそろ夏休みも終わりに近づいてきました。そこで、ラウハおばさんも本腰を入れて電話セールスに取り組もうと思いたちます。ラウハおばさんは、次の主力商品として日持ちするソーセージを候補に考えました。そして、いろんな種類のソーセージを売っているハンガリーの首都ブダペストまで、ミスター・リンドベリのつてを頼りにリストと買い付けにいくことになりました。薦められたソーセージのひとつがグリーンペッパーソーセージだったのですが、そのグロテスクな見た目のせいでどうしても好きになれません。しかも、買い付け旅行はハプニングだらけ。お気に入りのソーセージを見つけようと、空中ケーブルでブダペストの市内を一望しては片方の靴を落としてしまうし、レストランでは財布が見つからず食い逃げ呼ばわりされて、さんざんな目に遭ってしまいます。そして、ついには警察沙汰に発展して、ラウハおばさんは拘置所に入れられてしまいました。さて、ラウハおばさんを救うためにリストが取った行動とは?二人は無事にフィンランドに帰ることができるのでしょうか?ドキドキハラハラの冒険物語「リスト・ラッパーヤ」シリーズ第2弾。

【抜粋訳: p.3】

ラウハは玄関に向かうと、受話器をつかみました。そして、そのまま立ち止まって考えました。
"今年の秋はなにを売ろうかしら?みんな、秋にはなにをするのかしら?コケモモ採りにでかけて、保存して、掃除して・・・。でも、コケモモバケツと掃除機は売れないわ。だって、ほとんどの人が持ってるもの"
「リスト、もしあなたがお客さんだったら、電話セールスでなにを買いたい?」と、ラウハが聞きました。しばらくして、リストはこう言いました。
「ソーセージ」
「ソーセージなんか売ることはできないわ。だって、ソーセージは日持ちしないもの。電話のセールスレディは、自分が売る商品の在庫を十分に抱えておかないといけないの」
「じゃあ、日持ちするようなソーセージを売れば」
"そんなソーセージなんてあるかしら"と、ラウハは考えて、肉屋に電話をかけました。
「もしもし、ラウハ・ラッパーヤです。こんにちは。ちょっとお尋ねしたいんですけど、いちばん日持ちするソーセージってなんでしょうか」
すると、肉屋がこう答えました。
「ボローニャソーセージは少なくとももちませんねえ。ロースハムもだめ、大麦入りのヘルシーソーセージもだめですねぇ。そうですねぇ、グリーンペッパーソーセージなんかいいんじゃないでしょうか」
「グリーンペッパーソーセージ。それはどんなソーセージですか?」
「なかなか表現しづらいんですよ。ご自分の目で確かめたほうがいいですねぇ」
肉屋がそう言うので、ラウハはリストをお遣いにだしました。しばらくすると、リストが小脇に包み紙を抱えて戻ってきました。
「ラウハおばさん、見にきてよ!」と、リストがキッチンから叫んで包み紙を開けました。
ラウハはソーセージを食い入るように見ています。
「イボイボがあるわ」
ソーセージは緑色のコショウで全体を覆われていました。ラウハは一歩後ずさりしました。
「味見してみようよ」と、リストが言うと、ラウハは絹を裂くような声をあげました。
「いやよ、わたしは触らないから!リスト、今すぐにそれをどこかにもっていって」

文/訳 末延弘子 シニッカ・ノポラ&ティーナ・ノポラ著『リスト・ラッパーヤとぞっとするソーセージ』(1998)より


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