【要約】
パパはなんでも知っているんだ、と思っているのは主人公の男の子、ラウリ。頭が良くて、ユーモアがあって、ちょっとおっちょこちょいなパパは、ラウリの誕生日を盛り上げようと一生懸命。
ラウリの5歳の誕生日にケーキの材料をスーパーへ買い出しに出かけることになったけれど、おっちょこちょいなパパはタンスの上に眼鏡も買物リストも忘れてしまう。そんなパパだから、誕生日パーティの招待状をきちんと出してくれたかどうか、ラウリの不安は募るばかり。
でも、ラウリの「どうして」という質問には、パパは嫌そうな顔ひとつしないでユーモアを交えてなんでも答えてくれます。渡り鳥が秋に南下する理由は、クリスマスシーズンから航空費が高くなるからだとか、スーパーまでの道のりを迷った理由は、小人のトンットゥが店ごと移動させたからだとか、秋に紅葉する理由は、パパがペンキで葉っぱを塗っているからだとか、手紙はポストの中に住んでいるポストカタツムリがあっという間に運んでくれるとか。
ケーキも焼けてテーブルもセッティングされたけれど、誕生日パーティになかなか友だちが来ないことにラウリは心配でたまりません。そしてパパも焦ってきます。だって、誕生日パーティの招待状をポストに出し忘れてしまったことを言えないまま、誕生日を迎えてしまったから。ラウリを悲しませないように、パパは騎士や王様や女王の変装をしてラウリの誕生日をお祝いをしてあげるのですが・・・。
ラウリの思うひとつひとつの気持ちが丁寧に情緒豊かに語られた同作品を、クリスティーナ・ロウヒ(Kristiina Louhi)のイラストがやさしく包みます。
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