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Hilma ja täydellinen lemmikki / Hilma ja hyvä harrastus    原書名:  Hilma ja täydellinen lemmikki / Hilma ja hyvä harrastus
 (ヒルマ、ペットをかう)/ (ヒルマのしたいこと)
 作者名:  Timo Parvela, 1964~
 ティモ・パルヴェラ
 出版社 / 年:  WSOY 2004 / WSOY 2005
 ページ数:  59 / 43
 ISBN:  9510289205 / 9510302694
 分類:  絵本
 備考:  Maukka ja Väykkä rakentavat talon
 Maukka, Väykkä ja mieleton lumipallo
 Onnenpyörä
 Karuselli
 Maukka ja Väykkä
 Ella ja kaverit 1-3
 Keinulauta
 Ella aalloilla
 Sanoo isä

【要約】

ヒルマは6歳の女の子です。弟のラウリと一緒の部屋で、本棚も、CDも、おもちゃも、ドアも、窓から見える景色もラウリと半分こしています。ところが、自分だけのものがほしくなって、7歳の誕生日にはペットがほしいと、お父さんとお母さんにお願いしました。

ヒルマは、みんなから羨ましがられるような、たった一つしかない自分だけのかわいいペットがほしい、と思いました。まず思いついたのはゾウでした。ゾウは大きくてすてきだけれど、よく食べるゾウの"落としもの"も大きいので、ヒルマの手に負えません。アリだと手がかかりませんが、何万匹もいて、どのアリも同じに見えてつまりません。クマは冬眠するのでいつも一緒に遊べないし、白鳥は冬に南に渡ってしまうし、クジラは浴槽に入りません。

あれこれ考えましたが、なかなか思いどおりのペットが見つからないまま、誕生日になりました。ヒルマの誕生日プレゼントは子いぬでした。子いぬはちょこちょこ動き回って言うことを聞いてくれません。呼んでも来ないし、好きなところにうんちもします。一緒に遊んで、どろんこになったらきれいに洗って、ヒルマは子いぬに振り回されます。でも、温かくてやわらかい子いぬの世話をしながら、とびきりの幸せを感じます。

「ヒルマ」シリーズ第二弾『ヒルマのしたいこと』では、小学一年生になったヒルマは、友だちがたくさんできるような、楽しい趣味を持ちたいと思います。水泳、サッカー、ピアノといろいろ考えますが、なかなかピンとくるものがありません。水泳もサッカーもピアノも練習がたいへんそうで、上手になるまで時間がかかりそうです。でも、自分のほんとうにしたいことなら辛抱強くなれるものです。ヒルマはチェロを習いはじめ、練習を重ねて、秋の発表会でステージに立ちました。

【抜粋訳: p.10】

 ある日の朝、食卓につくと、お母さんが言いました。
「ヒルマ、もうすぐお誕生日ね。プレゼントは何がいい?」
「じぶんだけのものがいい。はんぶんこしたくないもん」
 ヒルマはそう言いながら、シリアルを皿に空けました。
「ラウリのぶんも残しておくんだよ」お父さんが言いました。
「ヒルマにはお父さんとお母さんがいるじゃない」
「だって、ラウリもいるし、わたしだけのじゃないもん」
「お父さんもお母さんも、いつだってヒルマをたいせつに思ってるわ」
 お母さんはそう言うと、ヒルマをだきしめました。
「おたんじょうびには、じぶんだけのものがほしい」ヒルマはもう一度言いました。
「ヒルマだけのもの・・・さて、何があるかな」
 お父さんが言うと、ヒルマが思いつきました。
「おたんじょうびプレゼントはペットがいい」

文/訳 末延弘子 ティモ・パルヴェラ著『ヒルマ、ペットをかう』(2004)より


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