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Siiri ja sotkuinen Kerttu    原書名:  Siiri ja sotkuinen Kerttu
 (シーリとこまったケルットゥ)
 作者名:  Tiina Nopola, 1955~
 ティーナ・ノポラ
 出版社 / 年:  TAMMI / 2004
 ページ数:  29
 ISBN:  9513131149
 分類:  絵本
 備考:  Siiri tekee maalin
 Siirin jouluyllätys
 Siiri ja kamala possu
 Siiri ja Kertun kirppu

【要約】

シーリは明るくておちゃめな女の子。ひとりっ子のシーリは、遊び仲間がほしくてたまりません。今日はお隣のオット三兄弟(ちびオット、まんなかオット、おおきいオット)の末っ子のちびオットの誕生日。シーリの手づくりのチェーンのキーホルダーをプレゼントしようと、胸を弾ませながらオット三兄弟の家に急ぎます。

ところが、そこで待っていたのは、泥だらけの女の子のケルットゥでした。オット三兄弟のいとこだというケルットゥは、ぬかるみで飛び跳ねたり、砂場にごろごろ転がったり、お誕生日会のご馳走のミートボールをがつがつほおばったりと、好き勝手にふるまいます。

ぼさぼさ頭にだぼだぼ服のケルットゥと楽しそうに遊ぶオット三兄弟を見て、友だちがいなくなったと悲しむシーリは、ある決断をします。ケルットゥのように顔を黒くして、上着に泥をぬって、オット三兄弟をとりもどそすことに決めました。

はたして、シーリとケルットゥは仲よくなれるのでしょうか?

「麦わらぼうしのヘイナとフェルト靴のトッス」シリーズでおなじみのティーナ・ノポラの「シーリ」シリーズ第3作目。ほかに、『Siiri ja kolme Ottoa(シーリとオット三兄弟)』(2002)、『Siiri ja yläkerran Onni(シーリと2階のオンニ)』(2003)、『Siiri ja kamala possu(シーリとかわいそうなブタ)』(2005)があります。

【抜粋訳: pp.14-15】

シーリがお誕生日会から家に帰ってきました。
「楽しかった?」シーリのママが聞きました。
「ううん。つまんない誕生日会だった。おばかな女の子がひとりいたの」
 「だれなの、そのおばかな女の子って?」
「ケルットゥっていうひどい子」
(ケルットゥがいなかったら、すてきな誕生日会になったのに)シーリは涙がでてきました。
「そのひどい子って、だれなの?」
「ぬかるみでジャンプしたり、ミートボールをすっかりたいらげたり、風船をわったり、わたしのことをハナタレ呼ばわりするうるさい子」
「どうして、そういう子がちびオットの誕生日会に呼ばれたの?」
「ちびオットのいとこだから。ちびオットにとっては、いい感じの子なんだって」シーリは腹をたてました。
「まんなかオットとおおきいオットも、そう言ってるの?」
「そう。ケルットゥはいい感じの子なんだって。でも、オットたちは子どもだわ。だって、ケルットゥと一緒にどろんこ遊びをしたがるんだもの」

文/訳 末延弘子 ティーナ・ノポラ著『シーリとこまったケルットゥ』(2004)より


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