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Siiri ja Kertun kirppu    原書名:  Siiri ja Kertun kirppu
 (シーリ、音楽教室へいく)
 作者名:  Tiina Nopola, 1955~
 ティーナ・ノポラ
 出版社 / 年:  TAMMI / 2006
 ページ数:  31
 ISBN:  9789513137311
 分類:  絵本
 備考:  Siiri tekee maalin
 Siirin jouluyllätys
 Siiri ja kamala possu
 Siiri ja sotkuinen Kerttu

【要約】

明るくておちゃめな女の子シーリは、おとなりのオット三兄弟(ちびオット、まんなかオット、おおきいオット)と音楽教室に通うことになりました。

ちびオットはマラカス、まんなかオットは太鼓、おおきいオットはフレンチホルン、そして、シーリはリコーダーを選びました。

そこに、オット三兄弟のいとこのケルットゥがやって来ます。あいかわらず、ぼさぼさ頭に泥だらけの服のケルットゥ。今回は、黄色い箱に「ノミ」を持ってきて、みんなをあっと言わせます。ところが、肝心の「ノミ」が逃げてしまい、ケルットゥは「たった一人の友だち」を失ってしまったことに落ちこみます

ケルットゥをなんとか励まそうと、シーリとオット三兄弟は得意技を披露したり、じぶんたちの楽器を弾かせてあげたりして、ケルットゥのためにいろいろ考えます。

ケルットゥの大切な友だち「ノミ」は見つかるのでしょうか?そして「ノミ」の正体は?

音楽教室で、それぞれじぶんの楽器を手わたされたシーリとオット三兄弟とケルットゥは、みんなで「ケルットゥのノミ」を演奏します。

「ヘイナとトッス」シリーズでおなじみのティーナ・ノポラの「シーリ」シリーズ第5作目。ほかに、『Siiri ja kolme Ottoa(シーリとオット三兄弟)』(2002)、『Siiri ja yläkerran Onni(シーリと2階のオンニ)』(2003)、『Siiri ja sotkuinen Kerttu(シーリとこまったケルットゥ)』(2004)、『Siiri ja kamala possu(シーリとかわいそうなブタ)』(2005)があります。

【抜粋訳: pp.18-19】

 ケルットゥはきいろい箱を食いいるようにみると、あぜんとしました。なんども引っくりかえしたり、ゆさぶったりしています。
「ノミが」ケルットゥは泣きべそをかきました。
 シーリとオット三兄弟は、くやしそうに泣きわめくケルットゥを見ました。
「ノミがあ」ケルットゥはわんわん泣いています。
 シーリとオット三兄弟は、ノミがいったいどこにいるのか考えました。
「あたしのたった一人の友だちだったのに」ケルットゥはがっかりしてつぶやきました。
「あたし、ひとりぼっちになっちゃった」
「そんなことない。わたしたちがいるじゃない」シーリがまじめにいいました。

文/訳 末延弘子 ティーナ・ノポラ著『シーリ、音楽教室へいく』(2006)より


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