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Siiri tekee maalin    原書名:  Siiri tekee maalin
 (シーリのゴール)
 作者名:  Tiina Nopola, 1955~
 ティーナ・ノポラ
 出版社 / 年:  TAMMI / 2011
 ページ数:  32
 ISBN:  9789513159320
 分類:  絵本
 備考:  Siirin jouluyllätys
 Siiri ja kamala possu
 Siiri ja Kertun kirppu
 Siiri ja sotkuinen Kerttu

【要約】

シーリのお隣のオット三兄弟はサッカーを始めました。夢中になって楽しんでいる三人の様子に、シーリも仲間に入れてもらおうとしますが、シーリにはセンスがないからと入れてもらえません。そこで、シーリは女子サッカーチーム「ファイト」に入ります。ところが、シーリはなかなかゴールを決められなくて、チームメイトのカロリーナからイヤミを言われます。日曜日の初試合にもシーリに出てほしくないとまで言われました。対戦相手は負け知らずの「サンダー」です。シーリがいじめられている様子をこっそり見ていたちびオットは、シーリをかわいそうに思いました。あのとき仲間に入れてあげればよかったと反省したちびオットは、シーリにサッカーのコツを教えてあげることにしました。そして迎えた対サンダー戦では、シーリのゴールで引き分けとなり、カロリーナはシーリを見直して、シーリはいつもの元気で明るいシーリになりました。

【抜粋訳:pp.20-21】

「シーリ!」ちびオットがちからこぶを見せながらシーリに声をかけました。
「なによ」シーリはけげんそうにちびオットを見ました。
「サッカーしようよ」ちびオットは木にむかってボールをけって見せました。
「興味ない」
「どうして?」
「サッカーはもうやめたの」
「カロリーナのせい?」
「なんでちびオットが知ってるの?」
「ええと、それは・・・」
「こっそり見てたのね!?」
 ちびオットは顔を赤らめてこう言いました。
「うん・・・こんど「サンダー」と試合があることも知ってるよ」
 シーリはくるりと背を向けて行こうとすると、ちびオットが大きな声で呼びとめました。
「シーリ!シーリは試合にでるべきだよ!シーリができるってことをカロリーナに見せてあげなきゃ!」
 すると、シーリはふりむいて真顔になりました。
「ちびオットの言うとおりだわ」
「ぼくがコツを教えてあげる。見てて。ポン、ポン、ポン。ほら、かんたんでしょ!」
「ほんとね!」

文/訳 末延弘子 ティーナ・ノポラ著『シーリのゴール』(2011)より


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