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Hirveää, parkaisi Hirviö    原書名:  Hirveää, parkaisi Hirviö
 (ちびのモンスターのこわい夢)
 作者名:  Katri Kirkkopelto, 1966~ & Suna Vuori, 1967~
 カトリ・キルッコペルト & スナ・ヴオリ
 出版社 / 年:  WSOY / 2005
 ページ数:  24
 ISBN:  9510303348
 分類:  絵本
 備考:  2004年度北欧絵本コンテスト出品作
 2004年度フィンランディア・ジュニア賞候補
 Hirmuista koulupäivää, Hirviö

【要約】

モンスター一家の三人は、洞穴に住んでいます。ある晩、ちびのモンスターが悪夢にうなされて目覚めました。どうやら、夢のなかで、ちびのモンスターはテーマパークにいて、人間の子どもたちに、じぶんの存在を認めてもらえなかったというのです。なぜ、なんのために、じぶんは存在しているのか、どうして、人は死んで、人は生まれるのか。ちびのモンスターの「なぜ?」に、おかあさんモンスターは、ちいさな息子を温かく抱きしめながら、ユーモアたっぷりに答えます。

難しくなりがちな本質的な問いを軽くしているのが、キルッコペルトの躍動感のあるイラストです。同書は、2004年度北欧絵本コンテスト出品作であり、フィンランド部門で一位に輝きました。また、同年のフィンランディア・ジュニア賞候補になりました。2006年には、続編『ちびのモンスター、学校にいく(Hirmuista koulupäivää, Hirviö)』が刊行されています。

【抜粋訳:p. 17, 18, 19】

「死んだらどうなるの?」と、ちびのモンスターが、おかあさんモンスターにちょっぴりふあんそうに、たずねました。

「それはね、だれにもわからないのよ。死んだらもうなにも起こらないって思っているひともいれば、翼が生えてくるって信じているひともいるわ。おかあさんはね、こう思うの、つまり、わたしたちのことをだれかが覚えてくれているかぎり、わたしたちの意味もずっと生きつづけるって。そして、谷に埋められたわたしたちの肉体は、大地となって、苔を生んで、わたしたちを超えるほどに大きな木々をはぐくむのよ」

文/訳 末延弘子 絵/カトリ・キルッコペルト 文/スナ・ヴオリ『ちびのモンスターのこわい夢』(2005)より


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