【要約】
夏休みを前にして、パンク少女サラの周りでは、同級生たちがアルバイト探しや新たな進路に向けて動き出そうとしていました。ボーイフレンドのラウスキは音楽学校を目指し、不良仲間のペッレは経営者になるべく商業学校へ、ロマンチストなモナ・リザはどうやら創作や小説を勉強する表現学校に進学したい様子。そんな仲間を横目にしながらも、「じぶんは?」と焦るサラ。校長のインケリからは高校進学を勧められてはいるものの、両親の離婚、父の失踪、親友ニナの自殺で止めてしまったフルートの道を捨てきれません。
そして、もうひとつの気がかりは、チャットで知り合った謎の少年マークと交わしたデートの約束。「待ち合わせは夏のノッティンガム朝6時」。新しい人生の扉が開くかもしれないと、サラはフルートを手に陸路でイギリスへ向かい、マークとの出会いを通して、ひょんなことから夏のアルバイトまで手に入れることになりました。マークは何人ものおかかえ従事をしたがえた富豪の跡継ぎでした。その暮らしを優雅に満喫しながら、知り合いの上流階級の家で、お手伝いとして数週間のアルバイトに精を出すサラ。お手伝いするのは、落馬して下半身不随になったシモーネでした。塞ぎがちで、神経質で、わがままなシモーネから、サラは生きる意志とじぶんらしさを荒療治ながらも引き出します。サラもじぶんの可能性を試すべく、地元バンド「シャーウッド・スノット」でインストゥルメンタルを担当し、大成功を収めます。
シモーネが愛馬ファイアーと再会することによってじぶんを取り戻したように、サラはフルートを演奏することで、本来のじぶんを見つめ直します。祖母危篤の知らせを受けて帰国したサラに、祖母はフルートレッスンと高校進学を提案します。ラウスキもモナ・リザもヘルシンキの高校に進学することになり、叔父のイユルキも昇進してヘルシンキへ転勤に。祖母の家も売りに出され、サラは決断に迫られます。はたして、サラの決断は?サラはどんな目標を抱き、どんな挑戦をこれから受けるのでしょうか?
プラッタ賞を受賞した『Sara@crazymail.com(Sara@crazymail.com)』(1998)に続く第二弾。物語は『サラはだれにも止められない(Sara ja levottomat jalat)』(2001)に続きます。
|