【要約】
赤毛の三つ編みにそばかす顔のレベッカは、明るくて天真爛漫な一三歳の女の子。新学期が始まる秋を前に、家族みんなで住み慣れた小さな島から町へ引っ越してきました。牧師の父と画家の母、そして、兄と妹二人に小犬たちが、レベッカ・ピリネンの家族です。母親は小犬のブリーダーもしていて、ドッグショーに余念がありません。兄のモーセスは世界的ギタリストを夢みてつまらない毎日に反抗し、中国から国際養子縁組したセルマとサイマは遊ぶことが大好きないたずらっ子で手を焼いています。
町に住んでいるモーセスと同い年のいとこのイェンニは、ファッションやヘアスタイルやメイクや友だちとのつき合い方をレベッカに押しつけがましくアドバイスします。遊ぶのが楽しいと思うことはいけないことなのか、大人にならなきゃいけないのか、レベッカはふと思いますが、赤毛の三つ編みも切らず、そばかすも隠さず、妹たちとの人形遊びも止めません。飾らない自然児のレベッカは、不良グループや強面のボクシング少女サイヤにも物おじしません。
町に越してきて一三歳の誕生日を迎えたレベッカが、野原で摘んだタンポポを花輪にして踊っていたら、そこに釣り竿とバケツを持った少年が現れました。ジェリーと名乗る少年は、その後もたびたび同じ場所に現れて、釣りデートにも誘われて、レベッカはジェリーを夏の王子さまとひそかに呼ぶようになります。
一方、レベッカの誕生日パーティで、レベッカは同い年で内気な聖堂番の娘ウッラと仲良くなり親友になります。モーセスが堅信式に出かけている間、レベッカは念願のモーセスの部屋を自分の部屋に模様替えします。離れの尖塔にある部屋に、ウッラが泊まりにきたり、悲劇のゲノフェーファ王女物語を読んでみんなでロールプレイングを楽しんだりして、夏休みを過ごします。モーセスは、堅信式で意気投合したギターを弾くオッリと、バンドを結成するつもりです。
夏の王子さまにまた会えることを願って、物語は「レベッカ」シリーズ第二弾『Rebekka tarttuu toimeen(レベッカ、学校へ行く)』(2007)へ続きます。第二弾では、いよいよ新学期が始まります。
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