世界の終末を危惧しかねない不安要素が36章にわたってちりばめられた同作品には、ホーカンという同名の主人公たちが登場する。テロの危険性、人間を追い越しかねない超人的知能AIの目覚しい発達、崩壊するモラル、シンギュラリティーへの不安、キメラを実験台にする人間たち、絶滅危機にあるカエルたち、幻覚作用をもつヒヨスの栽培をする市民たち、低温保存で人体を凍結・保管する団体の存在。そんな不安要素をホーカンたちが淡々と体験してゆく。そして、そんな不安や恐怖を抱えた患者たちをインターネットで診るフェイクラブ博士も、もう一人の主人公だ。『ペレート・ムンドゥス』は、未来予想図となりうる数多くの選択肢を含んだ社会風刺であり非理想郷であると同時に、現代に警鐘を鳴らしながら未来の可能性を訴える作品だ。