【要約】
色彩は光の行為であるとゲーテは言った。しかし、色は、光を捉え、そのふるまいを感じる観察者なくして生成されない。生成とは、静的ではなく動的で、在ることよりも成ることである。ひとたび生まれた色は、光と共同しながら、燃え尽きようともかたちを残してゆく。
シニヴァーラが内に捉えた光と色は、草の緑へ結合し、雫の弧を描き、雪の結晶となり、詩へと昇華する。充溢した果実は燃焼してゆく光の味がし、傷跡は旗弁となって出帆する。見えた外界を抑えることなく取りこみながらも放出し、内的な経験と混和させる。輻射する太陽、横溢する緑、進みつづける生命との神秘的な合一、あるいは、万物との一体化を、シニヴァーラは鮮明に感知する。
処女詩集『炭焔(Hiililiekki)』につづく第二弾。
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