【要約】
町に越してきて初めての冬休みになりました。牧師の父は教会の仕事で慌ただしく、母は高校で美術を教えながらブリーダーの仕事や教会の仕事をこなしています。秋に生まれたベッティナとダイアナの十匹の小犬たちは、すべてもらい手がつきました。そのうちの一匹は、夏の王子さま、ジェリーのもとへ引き取られました。兄のモーセは、教会の塔を陣取って曲づくりに夢中で、堅信キャンプで意気投合したドラムのオッリとキーボードのルプスとボーカルのヘタの四人でバンドを組んで、コイランプトキというバンド名で本格的に活動を始めました。オッリが将来のお婿さんだと心に決めている妹のセルマは、自分の誕生日パーティにオッリの母でクラスの担任のティーナを呼ぶつもりです。
ジェリーとの魚釣りデートは、レベッカの中で思い出になりつつありました。秋から始めたスピードスケートはタイムを伸ばして、オウルで開催される全国大会の選抜選手に選ばれて練習に忙しくなったということもあります。ジェリーが転校生の女の子に熱をあげているということもあります。レベッカに新しい出会いがあったということもありました。今度は、氷上のワカサギ釣りの冬の王子さまです。
琥珀色の瞳と蜂蜜色の髪の美しいワカサギ釣り少年は、動物病院に新しく赴任した獣医の息子で、モーセと同じ中学二年生です。サスカ・ランピという名の少年とは、ファラオがサスカの釣り竿におしっこをかけたことがきっかけで知り合いました。サスカには双子の妹のムスカがいて、ジェリーを含めたチェーングループをあっという間に取り巻きにしてしまいました。驚いたことに、サスカとムスカは、なにかにつけてレベッカに絡んでくるボクシング少女サイヤ・マンテレのいとこでもありました。
せっかく期待されて代表選手になったレベッカですが、そり滑りで足を挫いて大会出場を断念することになりました。そんなとき、サスカがスノーモービルに誘ってくれたおかげで気分も晴れました。さらには、サスカが作っている学校新聞に記事を寄せることになり、レベッカは書くことの楽しさを発見します。
「レベッカ」シリーズは少女向け小説シリーズで、田舎育ちの明るくて天真爛漫な赤毛のレベッカの青春物語です。『レベッカと冬の魔法』は、第一弾『レベッカと夏の王子さま』(今夏に青い鳥文庫より刊行予定)、第二弾『Rebekka tarttuu toimeen(レベッカ、学校へ行く)』(2007)に続く第三弾です。
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