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Finland
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1831年に設立されたフィンランド文学協会(Suomalaisen Kirjallisuuden Seura, SKS)は、フィンランド国内において最も歴史のある学術機関の一つです。設立以来ずっと、SKSはフィンランドの文化史において中心的な役割を果たしてきました。主な活動として、言語や民俗や文学といったフィンランド文化の収集や研究(サムリ・パウラハルユ参照)、また、文化書物の出版を実践かつ促進することであり、諸外国と共同活動をしながらフィンランド文化を国際的に流布することが挙げられます。
SKSには、民俗詩と文学の資料保管局のほかに学術研究図書館や、諸外国言語への翻訳や情報の発展に努めるフィンランド文学情報センターといった公共研究施設を保持しています。SKSにおける出版刊行物は主に、民俗、文学、そして、フィンランド語の研究書物、および、文化史書を専門とし、販売展示はSKS本部の一階で行われています。
そもそも、SKS設立にいたる契機は、フィンランドの国民的叙事詩の編纂者であったエリアス・レンロート(1802~1884)が1820年代後半に始めた民俗詩収集活動に遡ります。レンロートの収集旅行にかかる経費と収集された資料刊行を支援し、その結実として『カレヴァラ』(1835,1849)と『カンテレタル』(1840)が刊行されました。SKS設立の思想的な背景には、フィンランド史書の父と呼ばれた歴史研究家ヘンリック・ガブリエル・ポルトハン(1739~1804)時代の愛国主義が反映していますが、もちろん、1700年後半よりヨーロッパ諸国の大学都市に設立された各文学機関も協会設立の参考になっています。
現在、SKSには70数名のスタッフが勤務しており、4000名に上るフィンランド人会員と約250名の外国人会員がいます。会員は、大学機関に属する人を初め、作家、翻訳家、芸術家、編集者、公務員、文化に携わる諸専門家などが在籍しています。上記に挙げた各研究施設は、フィンランド政府より財政面で支援を受けており、学術刊行物の出版においてはフィンランド学士院(Suomen
Akatemia)の支援を受けています。
現在、SKS本部はヘルシンキのクルーヌンハカ地区に位置しています。この土地は政府より寄贈され、ヘルシンキの公共建物を数多く建築したセバスティアン・グリペンベリ(1850~1925)の設計に基づいて1890年に建てられました。
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