【要約】
独身でキャリアウーマンのマーミは、中国から女の子を国際養子縁組する。そのための準備も環境も時間をかけて整え、手続きも問題なく処理される。しかし、母と子の距離はいっこうに縮まらない。娘となったというのに、ますます二人の距離は離れて他人になってゆく。思い描いていた幸せな親子の生活とはかけはなれた現実に、マーミは絶望と不安と失敗への恐れを感じはじめる。
どんなふうに娘と繋がっていればいいのだろう。そして、それははたして可能なのか。マーミが綴る書簡体の折々に、アルコール依存症の家庭に育った彼女の回想がフラッシュのように描かれる。親と子の関係を決定づけるのは、遺伝子ではなく環境であり、築いてゆくものだということを知る一冊。
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