【要約と抜粋訳】
なんだかうまくいかないちびねこキッリは、朝からごきげんななめです。ネズミのおもちゃにつまずいて、朝ごはんも気にくわない。ものに八つ当たりするけれど、こみあげてくるイライラは収まりません。
すると、押し入れからひょっこり出てきた小人のトンットゥから「かんしゃく玉」をもらいます。
「かんしゃく玉をぷぅとふいて、パンパンパーンと割ってごらん!」
キッリはトンットゥに言われたとおりにぷぅとふいてみました。すると、どうでしょう。今までのイライラがうそのようになくなりました。そこで、キッリはかんしゃく玉をもっと大きくふくらませようと思いつきました。
おとなりの双子のウントとイントの喧嘩もぷぅ。
車のエンジンに手こずるウール・ウールネンさんのイライラもぷぅ。
ちびねこガールズのもめ事もぷぅ。
牛乳屋のミセス・モーに詰めよるお客さんの怒りもぷぅ。
すると、かんしゃく玉は、サッカーボールくらいの大きさになりました。
そこにやってきたツル警官は、「えたいの知れない大きな物体」だとして、つんつん尖った嘴で割ってしまいます。耳を塞ぐほどの爆音に、すべてが破れて弾け飛んだのでした。
じぶんの感情をどうやって表現して、どんなふうにつきあうのか。コロライネンが楽しくテンポよく導き、クリステル・ロンス(Chhristel Rönss)の緊張感と躍動感のある絵が、子どもの感情の波と上手にシンクロします。
怒っても泣いても、魔法を解くのはやっぱりこの言葉。
「ごめんなさい!」
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