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Oljilla täytetty nainen    原書名:  Oljilla täytetty nainen
 (藁でできたひと)
 作者名:  Anne Hänninen, 1958~
 アンネ・ハンニネン
 出版社 / 年:  TEOS / 2005
 ページ数:  87
 ISBN:  9510309753
 分類:  詩集
 備考:

【要約】

人生は、絶望と可能性の繰り返しであり、死はひとつの大きな生命への回帰であり、人間もまた万象の流れのうちのひとつである。

諦めについて、若さについて、今を生きることについて、美しい言葉で織りなした、アンネ・ハンニネンの第11弾詩集。

【抜粋訳:p.14】

朝日は 夜のきわみまで 照らすのに
わたしたちまで 届かない
あれば 新たな始まりは べつの途上
海は騒ぎ 呑まれて世界は洗われる
より やわらかく

もはや どこにも急いでおらず
出来事は やって来ては 去ってゆく
過去にも 未来にも
青春は 生まれない
辛夷が咲いて 白い翼が すぐにでも
影絵を つくる
動かぬ 密なる木 わたしのなかの
悲しみの巣は 離れない
真なるもの、 玲瓏で ちがうもの
空虚、 意味でいっぱいなのに
きっと ずっとわからない
きっと あなたにもわからない

文/訳 末延弘子 アンネ・ハンニネン著『藁でできたひと』(2005)より


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