【抜粋訳: pp.61-62】
こんにちは、カルヴォネン。カルヴォネンは裁縫クラブに参加したことありますか?ぼくはあります。ある日の夕方、アマリアおばさんの家にみんなが集まってきました。おばさんからこの話を聞いたとき、いったい裁縫クラブではなにをするのって聞いてみたら、おばさんは、とくになんにもしないわって言いました。ただ、コーヒーを飲んだり、来ていない人たちの悪口を言ったりしてるらしいです。裁縫がどんなふうに関係しているのかというと、参加者全員が未完成の手芸を持ってくるからなんです。年に一回、発表会を開いているんですが、展示作品にはかならず説明書も添えます。つまり、鍋つかみやセーターやエッグウォーマーが未完成のまま展示してある理由を書いているんです。
裁縫クラブのために、おばさんは菓子パンのプッラとかスパイスケーキを焼いて、ぼくはやかんいっぱいにコーヒーをつくりました。そして、夕方になると裁縫クラブのメンバーが未完成の作品を持って家にやってきました。おばさんとかおねえさんとか、年の違う人たちが10人くらい集まって、なかにはアマリアおばさんと同じ看護婦の人もいました。ぼくはせっせとコーヒーをカップに注いだり、クラブの活動を見ていました。
手始めに、みんなぼくのことをほめてくれました。元気なぼうや、ねえ、年はいくつなの。いいわねえ、男の人がいろいろサービスしてくれるなんて。それから、今度はアマリアおばさんに話が移りました。アマリア、このスパイスケーキ、とってもおいしいわ。作り方を教えてくれない。なんだか話が途切れることなくどんどんつながっていって、主役はお茶会とおしゃべりみたいでした。
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