兵隊
あなたに 読みます
わたしが 死んだら
手紙が 行きます
闇に包まれ
煙と鉄に
大地が 包まれ
ガーデンテーブルに 微風がそよいで
あなたの手紙を めくるとき
そのとき 読みます
月曜の朝が
積雪に 詰まって
猛吹雪に あなたは目を離さずに 消えゆくとき
そのとき わたしは あなたを星にします
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そして
楓の葉っぱが
凍てつき くるりと萎んで
鍵と火薬ケースが
あなたの掌の深奥に ずしりと沈むとき
わたしは 砂まみれの口で たおれます
黒い炎に 包まれます
そしてようやく わたしは 正しく理解します
わたしたちの愛を
時が来て
翼を正しながら 立ち上がります
眼鏡ケースのなかから
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