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Mutta kuvittelin että sydän ei tunne rajoja    原書名:  Mutta kuvittelin että sydän ei tunne rajoja
 (でも心に境界はないと思っていた)
 作者名:  Tua Forsström, 1947-
 トゥーア・フォルストローム
 出版社 / 年:  Teos / 2008
 ページ数:  57
 ISBN:  9789518511550
 分類:  詩集
 備考:  

【要約】

魂が自在に自由に躍動する場所はどこなのか。それは「雨降る庭」、それは「夜の檸檬の木」、それは「内なる熱帯雨林、石、ゆっくりとたゆたう水」だ。そこは「水路が出逢い、緑が渦巻き、波が全方向から吹いてくる」。流れる水のように、詩は止まることなく、閉じることなく、つかみきれない無限を目ざす。日常の瞬間や自然に触れた平明な表現ながらも、夢のような霧のような根源に根ざしたものがある。おとずれた存在に共鳴せずにはおれなかった「素朴な琴」のような明澄で透明な音が響く。

同書は、『鉱物(Mineraler)』(2003, Söderströms)と『歌(Sånger)』(2006, Söderströms)を収蔵した一冊です。

【抜粋訳:p.54】

風が雨を連れてくる
音響は九月に変わる
あなたがまだ見える、あなたがわからない
できるだけ長く私は留まる

文/訳 末延弘子 トゥーア・フォルストローム著『でも心に境界はないと思っていた』(2008)より


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