KIRJOJEN PUUTARHA
フィンランド文学情報サイト

 

 tunnus おすすめ作品

Maunon kaupunki    原書名:  Maunon kaupunki
 (マウノのシティ動物記)
 作者名:  Katri Tapola, 1961~
 カトリ・タポラ
 出版社 / 年:  Tammi / 2008
 ページ数:  32
 ISBN:  9789513140700
 分類:  絵本
 備考:  

【要約】

マウノは都会のマンション暮らし。ママは自由気ままに絵を描いて、いつかは畑と馬をもって田舎に住みたいと夢みています。ママとはちがって、マウノは都会にひそむ動物を追いかけて、シティ動物学者と名のるほど。そんなマウノの朝は早いのです。どこでシティ動物にばったり会うかわかりませんから。

カメラをさげて、メモ帳を持って、まずカメラに収めたのは、古いタンスのランプの陰にひっそり隠れたベルト蛇。それから、通学路ににょっきり首をだしていた白鳥の水道管。下校途中で出会ったのは、氷のはった太古の化石で、巨大な石は冬眠中のカメにちがいありません。

都会のいろんなものが、マウノの目をとおして生き生きと動きだします。友だちと過ごす時間も、とっても楽しいし、おばあちゃんのおやつの時間にも大満足。でも、もっとうれしかったのは、ママからプレゼントされたほんもののフトアゴヒゲトカゲでした。

【抜粋訳:pp. 6-9】

かがくしゃの朝は早いんだ。カメラを首にぶらさげて、そーっとぼくは玄関にしのびよる。どこでさいしょの動物に出あうか、わからない。まだあたりはくらくて、ぼんやりしているけど、そのほうがいいんだ。だって、シティ動物は影でできているから。おとながいるところには出てこない。みんな、暗がりがすきなんだ。

マウノメモ
都市化したヘビ。古いタンスのうえ。まほうのランプのかげ。ヘビは、まほうにかけられている。

文/訳 末延弘子 カトリ・タポラ著『マウノのシティ動物記』(2008)より


おすすめ作品の目次へ ▲このページのトップへもどる