KIRJOJEN PUUTARHA
フィンランド文学情報サイト

邦訳本の案内

   

 tunnus 『クリスマス物語』(Joulutarina, 講談社)

   
   

【クリスマス物語】

マルコ・レイノの児童小説『クリスマス物語』(訳 末延弘子)が講談社より刊行されました。

この作品では、サンタクロースから神秘性を取り払い、サンタクロースを一般の人間として語れています。不慮の事故で両親と妹を失い、孤児となった主人公のニコラス少年は、自分が受けることのできなかった愛や優しさを贈り物としてみんなに広げたいと考えます。彼は、心のこもった贈り物を手作りし、善意で人々に配るようになるのです。この小説の内容は、サンタクロースの原型ともされる聖ニクラウスの伝説に類似し、単にサンタクロースの暮らしぶりを伝えるのではなく、「思いやり」という無形の贈り物を読者に認識させることで、物質文明にたいする警笛を鳴らす内容となっています。 興味のある方々は、是非ともこの冬にお読みください。

【作品情報】

作 者: マルコ・レイノ
訳 者: 末延弘子
挿 絵: 佐竹 美保
出版社: 講談社
発行日: 2010年11月


▲ 邦訳作品の目次へ