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Nunnu    原書名:  Nunnu
 (ヌンヌちゃん)
 作者名:  Oili Tanninen, 1933~
 オイリ・タンニネン
 出版社 / 年:  Otava / 2007
 ページ数:  95
 ISBN:  9789511217923
 分類:  絵本
 備考:  2007年度フクロウ書籍賞の候補作

【要約】

「ヌンヌちゃーん、おきてー。プリッリ教授のおひるね、わすれてるよー」

いつもは、てきぱきホップくんに起こされるのですが、きょうは、ぶつぶつムズカリくんの声に、ヌンヌちゃんは目を覚ましました。ねむの木にすやすや眠るヌンヌちゃんは、プリッリ教授の夢をまかされています。

 ところが、おしごと道具の「あくびのうちわ」が見つかりません。そこで、ホップくんのお店で、ねむりバエのサンテリを手に入れます。

 プリッリ教授のあごひげは、ヌンヌちゃんを待っているあいだに、どんどんのびて、ついには家を飛びだします。

 ヌンヌちゃんの眠りの世界は、どこにもなににも急いでいません。時から解かれた夢の世界を、はたして、プリッリ教授は見ることができるのでしょうか。そして、みんなはどんな「おやすみまえのねがいごと」をするのでしょう。

 日本では『ボタンくんとスナップくん』(1964, 講談社1971)、『ロボットのロムルスくん』(1968, 講談社1972)の邦訳で知られている絵本作家オイリ・タンニネンですが、その美しい言葉遊びとオノマトペは、読み聞かせにリズムをつけます。そして、鮮やかな色彩が織りなす切り絵とちぎり絵のコラージュは、夢の世界に広がりをもたせます。

 同書は、『ヌンヌちゃん(Nunnu)』(1965)、『ヌンヌちゃん、そらをとぶ(Nunnu lentää)』(1966)、『ヌンヌちゃん、おっこちる(Nunnu putoaa)』(1969)を収蔵した復刻版作品集です。「ヌンヌちゃん」シリーズは、アニメーション化されてフィンランド国営放送YLEで放映されて人気を博し、トペリウス賞、ルドルフ・コイヴ賞、フィンランド政府賞などに輝いています。また、「子どもにずっと読み継いでゆきたい名作」として2007年度フクロウ書籍賞の候補作にあがっています。3歳児くらいを対象にした絵本です。

【抜粋訳】

 ねんねん、おやすみ、ヌンヌちゃん
 てきぱき、起こすよ、ホップくん
 ぶつくさ、ふきげん、ムズカリくん

 どの子もとってもたいせつで、どこにいっても必要です。だって、みんな、おやすみしたいし、起きたいし、そして、ときどき、むずかりたい。だから、ヌンヌちゃんも、ホップくんも、ムズカリくんも、いつだっていそがしいんです。これから、おはなしするあの日も、みんなとってもいそいでいました。

文/訳 末延弘子 オイリ・タンニネン著『ヌンヌちゃん』(2007)より


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