【要約】
フオタリネンの処女詩『ハサミをもって走ってはいけない(Sakset kädessä ei saa juosta)』(2004)では、大人へと成長する少女に強いられてくるさまざまな条件、不安、恐怖、そして葛藤を描いた。第二詩集となる今作では、その少女が大人の女性へと成長する。じぶんとはなんなのか、じぶんの魂の家はどこにあるのか、大いなる母たちから受け継いできた生命の連続体をとおして考える。
どしゃ降りのなか、帽子をかぶって騎乗する、
私を落馬させるのは、ただ驚異だけ。
(「天空」より)
不安のなかにただ在るだけに留まらず、偶然にただ身を任せるだけに留まらず、自ら選択し、前へと進んでゆく決意のこもった詩集。
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