【要約】
家出をした、ふたごの姉妹のイヴァンとヴァンヤは、途中、わき腹に小窓のついたウシに出会います。ふたりは、窓の向こう側が気になって仕方がありません。そこで、ふたりは窓の向こうの「いっぷう変わったもの」をのぞかせてもらう代わりに、ふたりのいっぷう変わった話し方を、物々交換することになりました。じつは、イヴァンはVが言えず、一方、ヴァンヤはVをつけないと話せません。ですから、ふたりのほんとうの名前は、ヴィヴァンとアンヤなのです。
小窓を開けると、強烈な悪臭とともにウシの最初の胃袋の世界が開かれました。牛乳パックに、クリームやバターの入った器が、溶鉱炉のように赤々と熱を放っています。タンク車に隠れて縮こまっているのは、十種競技選手ハシッタ・ミルクです。どうやら、酸化中で機嫌が悪く、できあがったカッテージチーズをむしり取っているようです。小窓のついたウシは空も飛べます。ウシ機長の案内で、二人はエストニアまで小旅行しました。
ところが、いっぷう変わった出来事を体験すると、じぶんたちのいっぷう変わった話し方が失われてしまいました。イヴァンの言えなかったVが言えて、ヴァンヤ余計なVが取れてしまったのです。ウシの体内から脱出するために、ふたりが取った行動とは?
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