【要約】
トーヴェ・ヤンソンのムーミン童話(1945-)のムーミン谷には四季があります。春、夏、秋、冬、それぞれの季節に、ムーミン谷の住民たちは、どんなことを感じて、どんなことをしながら、毎日を過ごしているのでしょうか。あるときは、ひっそりとじぶんの世界に浸りながらいろいろなことをじっくり考えたり、あるときは、想像力のおもむくままに楽しい遊びを思いついて夢中になったりします。
秋には、切手や落ち葉のコレクターになり、大掃除をしながら落とし物ハンターになり、暗号ごっこでは想像力を働かせます。冬には、モミの木の飾りを工夫したり、雪ランプを灯したり、雪面の足跡から調査ノートをつくります。春には、種から植物を育てたり、いろいろな博物館の見学ツアーのあとに展覧会ごっこをしたり、あるいは、イースターの飾りを段ボールでつくるのもすてきです。夏には、飛び回る小さな羽虫や小鳥の観察にふけったり、夏至のおまじないを試したり、あるいは、夏の花を摘んで花ノートをつくるのもひとつの思い出になります。
思考や想像力は平凡な日常を驚きに変え、遊ぶことで探究心や好奇心がますます芽生えます。この本には、ムーミン谷の四季折々の遊びが紹介されています。案内人は、考えることや遊びの名人であるムーミン谷の住人たちで、遊びのヒントを教えてくれます。好奇心をもっているのは子どもだけではありません。大人もきっと、ムーミンたちの小さなヒントと鋭い観察力に大きな喜びと驚きを感じることでしょう。
季節はムーミン童話の引用文から始まり、ムーミンたちの「遊び方」へ誘います。「遊び方」から、またちがった日々の楽しみ方がみえてきます。
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