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KIRJOJEN PUUTARHA フィンランド文学情報サイト
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【要約】
あるところに、火山島がありました。そこへ、鍋に乗った犬のエッタが漂着しました。島では、トガリネズミのピピンや、水生ネズミのロッタや、魚の油を主食にしているムクムク一族や、ごくごく小さな生き物のミリミリたちが平和に暮らしていました。ジャングルと火山を戴いた島での暮らしは、果物もナッツもたわわに実って楽園のよう。ところが、エッタ犬が鍋ボートで火山の噴火口に蓋をしてしまったから、さあ大変。寒い寒い氷河期が訪れます。滝や浜辺は凍てついて、果物も収穫できず、みんなは恐怖を覚えます。不安はしだいに怒りとなって、エッタ犬を追いつめます。火山はふたたび復活するのでしょうか?みんなの島に、ふたたび果実の実る楽園はやってくるのでしょうか?
火山島での冒険を歌にしたポップな児童詩。イラストレーターのサッラ・サヴォライネンのカラフルでユーモラスな挿絵が弾みを添えてくれます。
【抜粋訳】
カチカチ凍った ぼくらのフルーツ カチカチ鳴るよ ぼくらの歯 パラパラ落ちる 麦の穂だって いいアドバイスはありますか?
ほっそりやせた ムクムク一族 しくしく悲しい ムクムク一族 落ちたよ体重 消えたよ幸せ 脂肪も もはや 一トン足らず
(・・・)
苔のベッドがなかったら プンプン怒るよ リスだって 樫のベッドがなかったら トガリネズミの怒りは カンカン
さあ 悪者を追いかけろ ピピンを先頭に 追跡だ 夜明けとともに 追跡隊があとを追う
文/訳 末延弘子 ハンヌ・ヒルヴォネン著『なべに乗った、いぬのエッタ』(2005)より
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