KIRJOJEN PUUTARHA
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Tiitiäisen satupuu    原書名:  Tiitiäisen satupuu
 (小人のティーティアイネンの童話の木)
 作者名:  Kirsi Kunnas, 1924~
 キルシ・クンナス
 出版社 / 年:  WSOY / 1956, 2004
 ページ数:  47
 ISBN:  951004055X
 分類:  絵本
 備考:

【要約】

今年で数十版目を迎える詩人キルシ・クンナスの「ティーティアイネン童謡集」は、フィンランド版マザーグースとして愛され続けている子どものための詩集シリーズです。クンナスの弾むようなユーモアと哲学が芸術作品へと昇華し、現実と非現実が見事に融合したクンナスの童謡は、子どものための詩集としてフィンランドの児童文学界に新風を吹き込みましたが、世代を超えて大人の読者をも魅了してきました。

祖母から母へ、母から子どもへ、眠る前に読み聞かせた子守唄は、輝きを失うことなく現代に謡い継がれています。

50余年の歳月を経て、愛すべきキャラクターは続々と育まれました。くしゃみねずみのヤーッコにちびちび男、手品師ピーポーに小人のティーティアイネン、そして月光と葦に想いを馳せるロマンチックなハリネズミ。リズムを刻んだ音符のような言葉が、眠る前のあなたに魔法をかけます。

【抜粋訳: p.21】

鍋とじゃがいも

ふぅ ぼくは ほんとに あっつあつ
ぐつぐつ くつくつ お湯がわく
火花みたいに かんかんさ
と 鍋は言うと
帽子をとった
        プシュー

ぐつぐつ くつくつ
ぼこぼこ ぽこぽこ
唾をはきだし
しゅっしゅっ じゅっじゅっ
かんかん ぷんぷん 怒ってさ
と 鍋は言うと
帽子をとった
        プシュー


こりゃまあ いそげ いそげ
と じゃがいも 叫んだ こりゃまあ いそげ
あつあつ 熱いの 終わらない
ポルカ ポルカ ポルカを踏まねば
いそがし せわし 火の靴 はいて
ぱかぱか ぱかぱか 駆け足せねば
はてさて はてさて 慌てふためく
どんどん どんどん 叩かねば
よかった よかった 生きてて よかった
こりゃまあ いそげ いそげ
あつあつ 熱いの 終わらない

文/訳 末延弘子 キルシ・クンナス著『小人のティーティアイネンの童話の木』(2004)より


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