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Voi vallatonta    原書名:  Nepi ja paras koiravahti
 (ネピとアルマ)
 作者名:  Tittamari Marttinen, 1968~
 ティッタマリ・マルッティネン
 出版社 / 年:  Tammi / 2009
 ページ数:  30
 ISBN:  9789513150389
 分類:  絵本
 備考:  

【要約】

コーギー犬のネピは、仕事で家を留守にするご主人にかわって、散歩に連れて行ってくれる人を探すことになりました。ミス・ヒースクネンは、ほえちゃダメ、走っちゃダメと、いろいろと口うるさくてかないません。B棟のプーッポネンは、ソファにだらしなく寝そべって、パソコンにかじりついたまま動こうとしません。かわって、アスリートのアーッコネンは、さっそく外に連れだしてくれますが、ハードな散歩にネピはくたびれます。定年退職した元薬剤師のティーナの散歩では服を着せられて、ネピはうんざりします。

犬のことを心から思ってくれる友だちがほしいと思っていると、上の階の女の子アルマに出会いました。アルマは、今までの人たちとちがいました。いっしょにトランポリンでジャンプしたり、どろまみれのネピを洗ってくれたり、ドッグランに遊びに行って、他の飼い主や犬と知り合ったり、いっしょに散歩していて楽しいのです。

友だちってなんだろう、楽しいってなんだろう、そんなことを知る一冊です。

ティッタマリ・マルッティネンは、フィンランドを代表する児童作家です。詩、童謡、児童書、絵本、ヤングアダルトなど幅広く執筆活動し、ジュニア文芸誌『ヴィンスキ』の編集長も務めています。同書は、幼年童話「どんぐり」文庫の一冊です。

【抜粋訳】

 アルマはしゃがんでネピをなでました。ネピはとても気持ちよくなって、アパートの廊下にごろんとあおむけになっておなかをだしました。
「あたし、なんにもやることないの。夏やすみだから、友だちはみんな出かけちゃった」
 ネピは飼い主をちらりと見ました。
「これから公園に散歩に連れていってもいい?」
「一日中、ネピの世話ができるかしら?」飼い主はためらいがちに言いました。
「もちろん!おばあちゃんの犬の世話もしたことあるわ。それに、ネピはすごくかわいいもん!」
 そんなわけで、アルマはネピの世話をすることになりました。そして、ネピのいちばんの友だちになりました。

文/訳 末延弘子 ティッタマリ・マルッティネン著『ネピとアルマ』(2009)より


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