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Tatu ja Patu Helsingissä    原書名:  Tatu ja Patu Helsingissä
 (タトゥとパトゥ、ヘルシンキへ行く)
 作者名:  Aino Havukainen, 1968~ & Sami Toivonen, 1971~
 アイノ・ハヴカイネン&サミ・トイヴォネン
 出版社 / 年:  WSOY / 2003
 ページ数:  32
 ISBN:  9511189840
 分類:  絵本
 備考:  Tatun ja Patun oudot kojeet

【要約】

いっぷう変わった風習や習慣をもつ"ヘンチクリン"に住んでいるタトゥとパトゥ兄弟。二人は、いとこのヨリを訪ねにヘルシンキへやって来ます。ヘルシンキの人ごみから颯爽と姿をあらわしたヨリは、なにやらもくもくと煙を吐いているカバンをもっています。久しぶりの感動の再会もそこそこに、ビジネスマンとして慌しく営業にいくヨリを追って、二人のヘルシンキめぐりが始まります。

目の前に広がる忙しなくも活気にみちた都会の光景に、タトゥとパトゥの心も弾んできます。ところが、あちこち目移りしているうちにヨリを見失ってしまいます。唯一の目印は、カバンから吐き出される奇妙な煙です。その煙を追って、国立博物館、コルケアサーリ動物園、リンナンマキ遊園地、国会議事堂、オリンピックスタジアムまで追いかけることに・・・。

はたして、あのもくもくと煙るカバンにはなにが入っているのでしょうか?タトゥとパトゥのハチャメチャ冒険物語。

【抜粋訳: pp.3-4】

ヘルシンキ中央駅は人であふれかえっています。(タトゥとパトゥは中央駅の屋根から人ごみを見下ろしています)

「ヘルシンキにはこんなにたくさんの頭があつまっているから、フィンランドの首都なんだ」と、パトゥが考えています。

「あっ、あそこからヨリがくるよ!ヨリ!ヨリ!」と、二人はおもいきり声をだしました。

「元気だった?久しぶり。ごめんよ、ちょっと急いでるんだ。だいじな仕事がはいってるんだよ。いっしょについてきてくれよ!タクシー!タクシー!」

タクシーを止めて三人が乗り込むと、ヨリが運転手に行き先をつげます。

「国立博物館までおねがいします」

すると、ヨリはケータイをかけはじめました。

「ヨリはすごくいそがしそう。ビジネスマンとしてすごくだいじにされてるんだね」と、タトゥがこっそりパトゥに言いました。

「きっとそうだね。ところで、ヨリのカバンからもくもく煙がでているけど、気づいた?ほんとにかわってるね」と、パトゥはささやきかえしました。

文/訳 末延弘子 『タトゥとパトゥ、ヘルシンキへ行く』(2003)より


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