【要約】
メンムリちゃんにはこわいものがたくさんあります。トイレにすみつくワニ、イチゴスープのなかのオバケ、それから泡風呂にいるぶくぶくモンスター。
でも、メンムリちゃんは「こわくないもん、メンムリはもう大きいもん」と強がります。部屋の明かりが消えたとたん、影が大きくなってゆらゆら動きだし、ベッドの下からがさごそ音がしはじめました。あまりにこわくて、メンムリちゃんはどんどん小さくなりました。小さくなって、ドアのすき間から逃げだして、風にさらわれて、窓から外に飛んで行きました。小さくなったメンムリちゃんは、人ごみに踏まれそうになり、高い建物や行き交う車にとまどいます。しかし、メンムリちゃんはこわいと言えません。
こわくないと言えば言うほど、メンムリちゃんは小さくなっていきました。やがて、雨が降りはじめ、茸の下に駆けこんだメンムリちゃんが「やっぱり、こわい!」と叫びました。すると、メンムリちゃんは目を覚まし、お母さんのやさしい子守唄を聞きながら、ふたたび眠りにつくのでした。
勇気とは、こわがらないことではなくて、こわいとちゃんと言えることなのかもしれません。
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