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 tunnus 『偽窓(ぎそう)』(Valeikkuna, 新評論)

   
   

【偽窓(ぎそう)】

Leena Krohnの邦訳第六弾として『偽窓(ぎそう)』(Valeikkuna)が新評論より刊行されました。訳者は、本サイトのスタッフの末延弘子さんです。

この作品は、Leenaの邦訳第一弾『ウンブラ-パラドックス資料への一瞥』(2002)を思い起こさせる作品構成で、主人公の哲学者と彼の元へカウンセリングに訪れる不思議な人々との現実離れした会話を介して、偽りの窓を覗いているかのような感覚を読者が体験できる内容となっています。エッシャーのだまし絵を観る感覚と言った方が分かり易いかもしれません。

哲学用語が満載で翻訳者の末延弘子さんの苦労が想像されますが、とてもよい翻訳本です。

さあ、アイソレーションタンクに浮かびながら哲学する主人公のカウンセリングに興味がある方々は、是非とも読んでいただきたいです。

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