KIRJOJEN PUUTARHA
フィンランド文学情報サイト

ニュース

昨年度(2006)のクリスマスにフィンランドで読まれた児童文学作品

昨年のクリスマス時期(2006年12月1日~31日)に読まれた書籍の統計が発表されました。フィンランドではクリスマスプレゼントに書籍を贈ることが多く、この時期は出版業界の繁忙期となっています。それゆえ、年間を通した書籍の販売総数の目安になる統計となります。今回の統計の中から児童文学の上位5位までを下記にご紹介します。

 

 

Viikingit tulevat!

Mauri KunnasViikingit tulevat! (Otava)】


第1位を獲得したマウリ・クンナスは、既に日本でもその名が知られている絵本作家です。今回はバイキングに関する歴史物の絵本『Viikingit tulevat!』(バイキング襲来!)で読者を獲得しました。サンタクロースなどの題材で知られるクンナスですが、今回の歴史物のような作品でも評価が高いです。とりわけ、フィンランドの国民叙事詩『Kalevala』(カレヴァラ)を題材にした『Koirien Kalevala』(わんわんカレヴァラ)などが国内で人気があります。


マウリ・クンナスに関しては、ファンサイトのようなものもあるので、興味のある方々はMauri Kunnas Kirja kerhoをご参照してください。

 

 

 

Risto Rappääjä ja villi kone

Sinikka & Tiina NopolaRisto Rappääjä ja villi kone (Tammi)】


第2位に選ばれたティーナとノポラ姉妹は、昨年日本にも邦訳された「ヘイナとトッス」シリーズでご存知の方がおられると思います。この姉妹は、いろいろ作品を著していますが、シリーズ物でとりわけ人気の高いのは、第2位にランクされた「リスト・ラッパーヤ」と第5位の「ヘイナとトッス」です。アニメーションや劇化されています。


「リストラッパーヤ」シリーズは、元気いっぱい、冒険心あふれる主人公のリスト・ラッパーヤと、お人よしで、すこしおっちょこちょいな叔母ラウハとの共同生活を通して繰り広げられる日常的なことを、面白可笑しく綴っています。この作品に関しては、こちらでご紹介しています。その他の作品も、おすすめ作品ページでご紹介していますので、ご確認ください。また、TV2のアニメーション情報はこちらをご参照ください。

 

 

 

Keinulauta

Timo ParvelaKeinulauta (WSOY)】


第3位に選ばれたティモ・パルヴェラの『Keinulauta』(シーソー)は、昨年度(2006)のフィンランディア・ジュニア賞を獲得した作品です。ひとりぼっちのくまのピーは、いっしょにシーソーをこいでくれる相手を待っています。でも、待っているだけでよいのでしょうか。大きなもみの木に後押しされて、シーソー相手を探す旅に出ます。


この作品の一部をおすすめ作品ページでご紹介しています。ご確認ください。

 

 

 

Kirottu koodi

Ilkka RemesKirottu koodi (WSOY)】


第4位に選ばれたイルッカ・レメスの『Kirottu koodi』(呪われた暗号)は、サスペンス小説です。今回上位に選ばれた中で唯一の小説です。修学旅行で訪れたローマで14歳の主人公アーロは、盗難現場を目撃してしまいます。修学旅行は一転、目撃者としてこの盗難事件に巻き込まれてしまうのです。ここからアーロの冒険が始まります。


日本ではまだ紹介されていませんが、フィンランドでは人気のある作品です。この作家のサスペンス小説は、これまで3冊著されていますので『呪われた暗号』は、その第四弾にあたります。

 

 

 

Heinähatun ja Vilttitossun 12 kuuta

Sinikka & Tiina NopolaHeinähatun ja Vilttitossun 12 kuuta (Tammi)】


第5位に選ばれたのは、ティーナとノポラ姉妹の「ヘイナとトッス」シリーズ。このシリーズは、麦わら帽子をかぶった姉のヘイナと、フェルト靴を履いた妹のトッスの姉妹を主人公にカッティラコスキ家の物語。今回は1年に起こったことを12の月に分けてユーモアたっぷりに伝えてくれています。この作品の一部は、青い鳥文庫スペシャル短編集『あなたに贈る物語(ストーリー)』と題したアンソロジーに「ヘイナとトッスのクリスマス」として掲載されています( 詳細はこちらから)。


このシリーズに関しては、既に2作品が邦訳されています。邦訳作品ページでご紹介していますので、そちらで詳細をご確認ください。また、講談社の青い鳥文庫には、「ヘイナとトッスからの手紙」と題したサイトが用意されています。そちらもご参考にしてください。

 

 


ニュース&特集記事の目次へ   ▲このページのトップへもどる