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2006年度ルーネベリ賞はリーッタ・ヤロネンへ

Kuvittele itsellesi mies

今年で20回目となる2006年度ルーネベリ賞は、リーッタ・ヤロネン(Riitta Jalonen, 1954~)の小説『男性を意識して(Kuvittele itsellesi mies)』(Tammi, 2005)に贈られました。

じぶんの留守中に旦那に浮気されたミリヤム。今までの生活を土足で踏みにじった相手の女性は画家のイナリ・オユティンでした。復讐を誓ったミリヤムはイナリに接近しますが、そこで奇妙な関係が生まれます。緊張感と恐怖感という激しい衝動に駆られつつも、お互いが歩み寄るにつれ、じぶんに欠けた部分を補うような一体感が生まれてくるのでした。

受賞作品では、ヤロネンのほかの作品(児童小説『フラ』、絵本『とまり木と少女』など)にも見られる「記憶とアイデンティティの融合」(ルーネベリ賞選考委員会評)が巧みに活かされています。物質的な欲よりも、物質や物事の内面や質を理解するという作業の必要性を強く訴えかける点が高く評価されました。

【ルーネベリ賞 / 作家について】

ルーネベリ賞の過去の受賞者についてはこちらを参照して下さい。 リーッタ・ヤロネンについては、作家紹介を参照して下さい。


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