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ヘイナとトッスと一緒に

ヘイナとトッスと 打ち合わせ ドキドキのご挨拶

去る8月21日に、シニッカ・ノポラ&ティーナ・ノポラ姉妹の『麦わら帽子のヘイナとフェルト靴のトッス―なぞのいたずら犯人―』の実写映画版『ヘイフラワーとキルトシュー(Heinähattu ja Vilttitossu)』の主役の女の子たち二人が、カイサ・ラスティモ監督と日本公開にあたって初来日しました。おりこうさんのヘイナを演じたカトリーナ・タヴィは今や12歳の小学6年生、やんちゃな行動派のトッスを演じたティルダ・キーアンレヘトは10歳の4年生になり、顔立ちも身長もずいぶんと大人になっていました。

通訳として同行させていただいた来日記念パーティやプレミア試写会での舞台挨拶、そして息つく暇なく連日の取材攻勢に明け暮れながらも、小さな女優さんたちは必死で受け答えしていました。

「頑張ったご褒美になにがほしい?」そう聞くと、「ゼッタイにプールで泳ぎたい」、「お寿司が食べたい」、「ピューロランドが楽しみ」と、ヘイナとトッスの純真無垢な笑顔がこぼれていました。

カトリーナもティルダも、映画化される以前から原作本シリーズが大好きで、「あたしはほとんど読んだわ」とカトリーナが言えば、「あたしはぜんぶよ」と競い合うように自慢し合っていたのが印象的でした。今回の映画の原作となった「なぞのいたずら犯人」シリーズでは、水風船をバンバン投げるシーンや、パン生地セラピーで生地まみれになるシーンなど、「楽しい場面がいっぱい」と二人とも太鼓判を押していました。ただし、実際のパン生地セラピー撮影では、夏の炎天下で8,000リットルもの本物のパン生地が一斉に発酵して、しまいにはハエが死んでしまうほどの異様な悪臭が漂ったときは、さすがに「イヤだった」ようです。

ラスティモ監督が、ノポラ姉妹の「ヘイナとトッス」シリーズについて、「昔は子どもだった大人も、子ども時代に返って美しい感動を味わえる」と言っていたように、ノポラ姉妹の「ヘイナとトッス」シリーズでは、子ども時代に育んだ情緒をもう一度感じることができます。純粋な喜び、それは既知の事実にふたたび喜びを見出して再認識するという幸せにほかなりません。輝かしい真珠のような子ども時代はほんの一瞬です。子どもは子どもらしく子ども時代を謳歌するべきであり、その子ども時代を大人は責任をもって与えてあげなくてはならないのです。

「子どもがあまりにもおりこうさんだと、大人はちっとも成長しないわ」そう言った麦わら帽子のヘイナとフェルト靴のトッスの言葉が今でも心に残っています。

待望の初邦訳!!

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