アスコ・サルベリ
(Asko Sahlberg, 1964-)

フィンランドの小説家。洗練された見解と色とりどりの言葉を巧みに用いて、登場人物の動きや考えを描くことに長けている。『羽(Höyhen, 2002)』では、障害を持った少年の世界が彼の思考の中で滔々と綴られる。肉体とは、人生とは、人間とは、孤独とはいったい何であるのか、といった根本的な問題に立ち返らせてくれる作品である。サルベリ独特の流れるような文体は、『闇の声(Pimeän ääni, 2000)』、『迷い子たち(Eksyneet, 2001)』、『薄闇の足跡(Hämärän jäljet, 2002)』にも息づいている。