ミルッカ・レコラ (Mirkka Rekola, 1931-)

フィンランドを代表する女流詩人、アフォリスト。1954年の処女詩集『水で燃ゆ』(Vedessä palaa)以降、数年おきに発表し続けた詩集は20作品に及ぶ。また、1987年と2002年(改定版)には、児童書『マスクたち』(Maskuja)が発表され、その明朗なユーモアが評価された。モダニズムの代表的な詩人ヘルヴィ・ユヴォネンの影響を受けたレコラの詩には、言葉の壁や限界を通り越した多義性がある。選り抜いた言葉に無限の可能性を込め、そして、それらが胸の奥で弾ける深い喜びを与えてくれる。レコラの詩の影響を受けてさらなる次元を開拓した作家にレーナ・クルーンがいるが、言葉が紡ぎだす文章や詩を様々な視点から享受させてくれるレコラの詩は、読者の心を掴んできた。フィンランド政府文学賞(Valtion kirjallisuuspalkinto)を4度にわたって受賞したほか、エイノ・レイノ賞、踊る熊賞、1998年度最優秀詩人賞(Vuoden runoilija -palkinto)など受賞数は多い。また、評論家や翻訳家としても顕著な活躍をし、シェークスピアの『オセロ』をフィンランド語に訳している。