Leena Krohn

レーナ・クルーン (Leena Krohn, 1947-)

現代フィンランド文学を代表する作家。文化人家系に生まれ、大学では哲学、心理学、文学、美術史を学び、芸術家教授(2001-2005)に就く。絵本、児童書、小説、エッセーと幅広く執筆活動している。フィンランディア賞やトペリウス賞を始め、フィンランドの芸術家に贈られる最高位勲章プロフィンランディアメダル(ただし、同年にスハルト政権下時代の森林大臣にフィンランド獅子勲章コマンダー章が授与されたことに抗議し、画家マルヤッタ・ハンヒヨキと共にメダルを返還)など数々の賞を受賞。2010年には、これまでの優れた文化芸術活動が称えられ、フィンランド教育省よりフィンランド賞が授与された。アメリカ、ロシア、ヨーロッパ諸国を中心に海外に翻訳され、『タイナロン』(1985)はアメリカで世界幻想文学大賞候補作に、『蜜蜂の館』(2006)は北欧閣僚評議会文学賞候補作に選ばれた。夢と現実のあわいに揺れるもろもろの世界を叙情的に繋ぎ、生きとし生けるものたちへの温かいまなざしを忘れず、存在することの意味と可能性を問い続ける。