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2005年度フィンランディア賞はボ・カルペランへ

Bo Carpelan

2005年度のフィンランディア賞はスウェーデン語系詩人であり作家のボ・カルペラン(Bo Carpelan, 1926-)が、小説『夏の影(Kesän varjot / Berg)』(Otava / Shildts, 2005)で二度目の受賞を果たしました。カルペランは、1993年に小説『初風(Alkutuuli / Urwind)』で同賞を受賞しており、二度の受賞は快挙となります。

今回は、前首相で現議長のパーヴォ・リッポネンが、最終選考に残った6作品から受賞者を決定しました。受賞理由について、カルペランの「詩情あふれる言葉と表現力豊かな」同作品は、世界文学に匹敵するものであると、リッポネンは述べています。

老境に入りかけた主人公マティアス・ベルグが、疎開していた子供時代を回想しながら、継続戦争時代の夏を振り返ります。当時まだ8歳だったベルグ少年の夏が、老いたベルグの心に蘇り、その思い出が練達の描写で綴られます。

カルペランはフィンランドを代表するスウェーデン語系フィンランド人作家です。受賞作品も多く、フィンランド政府賞も今までに4度受賞しています。また、ヘルシンキ市立図書館の副館長や芸術家教授などを歴任し、評論家や翻訳家としても活躍しています。


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