KIRJOJEN PUUTARHA
フィンランド文学情報サイト

ニュース

2004年度最優美書籍賞、クリスティーナ・ロウヒの「おひめさまたちの童話の宝箱」へ

Prinsessojen satuaarre

前年度の最も美しい本に贈られる最優美書籍賞(Vuoden kaunein kirja)が、先日発表されました。2004年度の受賞作品は、子どもたちに夢を与えるイラストで数多の賞を獲得しているクリスティーナ・ロウヒの『おひめさまたちの童話の宝箱(Prinsessojen satuaarre)』(Otava, 2004)です。

おひめさまを主人公とした世界各国の童話が15話収録され、ロウヒの丁寧で緻密な飾り文字や模様、柔和なタッチと審美的な配色が、一話一話に輝きを添えるように施された美しい本です。

美しいだけではなく、あたかも読者の心に想像する部屋を用意してくれる筆致は、ロウヒのイラストの特徴と言えるでしょう。

アンデルセンの『えんどう豆のお姫さま』、グリム兄弟の『カエルの王様』、『白雪姫』、『眠り姫』をはじめ、スウェーデンの古典児童作家エルサ・ベスコフやアストリッド・リンドグレン、またフィンランドからは童話の父と呼ばれたザクリス・トペリウス、アンニ・スヴァン、カーリナ・ヘラキサ、そしてフィンランドやイギリスの民話などが収められています。

ここ数年、フィンランドでは古典児童文学作品へのルネサンスが興っています(2004年6月25日付けのヘルシンギン・サノマット紙アンケート調査より)。成人した大人たちが、子ども時代に読んだ大好きな作品にもう一度立ち返りたい、子どもの豊かな想像世界にもう一度浸りたい、という思いの反映でしょうか、出版社側も"永久保存版"として国内外の童話作品集を続々と刊行しています。

link1 最優美書籍賞(Vuoden kaunein kirja)の過去の受賞者については、こちらをご覧下さい。


ニュース&特集記事の目次へ   ▲このページのトップへもどる