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詩の世界‐現代詩人 アキ・サルメラ (Aki Salmela, 1976~)

Aki Salmela 2004年度のカレヴィ・ヤンッティ賞を詩集『メッセージのないページ』(Sanomattomia lehtiä, Tammi)で受賞したアキ・サルメラの特集記事「ルーツは、伝統の中に」(JUURET PERINTEESSÄ、文: Rita Dahl)が、フィンランド文学協会刊行誌「Hiidenkivi」(2005年1号)に掲載されました。その記事の中でサルメラの詩にたいする考え方がインタビュー形式で記されていましたので、簡潔に報告します。

サルメラは詩を「美的な遊び」と捉え、詩を「重要でない」そして「無益なもの」と述べています。いくら高尚な哲学を詩に盛り込んでも、最終的に詩人は「無」から「言葉」を使って「美的な娯楽」を作り出すに過ぎないというのです。そんな彼の詩は、「何かにたいして批評的な立場を詩に書くことはない」というように、文字通りの娯楽として自由なスタイルで著されています。

言葉遊びをするサルメラにとって重要なのは、「言葉を知る」こと。つまり、芸術や文学の伝統、歴史、そしてあらゆる文芸思潮で著された詩を、言葉遊びに必要不可欠な「道具」だと考えているのです。とりわけ、ダダイズムやシュールレアリズムなどは、サルメラにとって最も重要な道具の一つです。それらの詩は、コラージュに代表されるように決して「美しい体裁」をしているわけではありません。しかし、その詩の中ではあらゆることを表現することが可能、つまりそれらの詩には「自由が存在する」とサルメラはその魅力を語ります。

彼が蓄積した道具は、彼の自由な発想に着色され、新しいデザインをその身にまといます。古い「言葉遊び」を熟知することで、興味深い新しい「美的な遊び」が日々詩として彼の頭の中で生まれてくるのです。


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