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2005年度ルドルフ・コイヴ賞 サッラ・サヴォライネンへ

本年度のルドルフ・コイヴ賞は、イラストレーターのサッラ・サヴォライネン(Salla Savolainen, 1962~)の『こんにちは、ちびのシンちゃん(Pikku Xing)』(レーナ・ヴィルタネン作, 2004, Tammi)に贈られました。同書は、中国から養子縁組としてフィンランドヘやってきた女の子シンちゃんの物語です。新しい養父母との出会い、新しい文化との出会い、そしてアンニッキ・タハティネンという新しい名前を授かったシンちゃんの揺れる思いを、サヴォライネンの明るく弾むようなイラストが激励しています。フィンランドでは、近年、中国を始めとしたアジアや南米から養子縁組をもうける家庭が増加しつつあります。作者のレーナ・ヴィルタネンもその一人で、フィンランドにおいて養子への高まる関心がうかがえます。

Kuudennen kerroksen Maikki サヴォライネンはイラストレーターのほかに児童作家としても活躍しています。小さな子どもの敏感な感情がテンポよく語られた作品に、『6階に住むマイッキ(Kuudennen kerroksen Maikki)』(2002, WSOY)などがあります。都会に引っ越してきた女の子マイッキが、高層住宅や隣人や町並みの驚きや不思議になじむまでの物語です。

ルドルフ・コイヴ賞とは、児童書イラストの価値や技術に貢献したイラストレーターに贈られる名誉ある賞で、隔年に発表されます。画家ルドルフ・コイヴの業績を称えて設立された同賞は、児童書の質とレベルの向上を目的として1949年より贈られてきました。2001年度にはシニッカ・ノポラ&ティーナ・ノポラ(Sinikka Nopola & Tiina Nopola)共著「リスト・ラッパーヤ」シリーズの挿絵でおなじみの、アイノ・ハヴカイネン(Aino Havukainen)とサミ・トイヴォネン(Sami Toivonen)が、『リスト・ラッパーヤとネッリ(Risto Räppääjä ja Nuudelipää)』(2000, Tammi)と「ヴェーラ」シリーズ『ヴェーラ、車にのる(Veera ja menopelit)』(2000, Otava)で受賞しています。




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