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2008年度フィンランディア・ジュニア賞の受賞者

フィンランディア賞

【2008年度フィンランディア賞の受賞者】

2008年度のフィンランディア賞の受賞者が発表されました。今年度は、ソフィ・オクサネン(Sofi Oksanen, 1977-)の小説『Puhdistus(粛清)』(2008, WSOY,劇作は2006年に出版)が受賞しました。

『粛清』は、エストニアの歴史に根ざした小説で、主人公のアリーデとアリーデの姉の孫にあたるザラが歴史の中で翻弄されていく姿を描いた長編小説です。この作品はもともと2006年に劇作として書き下ろされ、それを小説化したものです。作品のテーマは、女性に対する性的な暴力、女性のはかない人生、そして愛となっています。

ソフィ・オクサネン(Sofi Oksanen, 1977-)

ソフィ・オクサネンは、フィンランドの小説家・劇作家。フィンランド人の父とエストニア人の母を持ち、中部フィンランドのユヴァスキュラで育ちました。ヘルシンキ大学で文学を学び、その後演劇スクールでドラマトゥルギー(ドラマの製作手法)を学びました。ソ連の支配下にあったエストニアを描いた『 Stalinin lehmät(スターリンの牛たち)』(2003, WSOY)で作家活動を開始します。『Baby Jane(ベイビー ジェーン)』(2005, WSOY)ではパニック障害をテーマに取り上げ、その障害によって失われていく人間関係、そして暴力を描いています。

Finlandia -palkinto

フィンランド書籍財団より、フィンランド人による称賛に値すべき小説を称えて、毎年贈られる文学賞。賞金は26,000ユーロ。 1984年に設立された当初は、純文学のほかにエッセーなども受賞対象であったが、1989年よりノンフィクション文学を対象とした ノンフィクション・フィンランディア賞(Tieto-Finlandia -palkinto)が設立されている。毎年、フィンランディア賞受賞作品選 考委員会が設置され、最終的には候補作品を6作品に絞り、小説のみが受賞対象になった。1993年以降は選考委員会長によって受賞者が決定される。過去の受賞者


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